数列の極限 のバックアップ(No.2)
【2】数学 Mathematics
【2.3】解析学
【2.3.1】解析学基礎
【2.3.1.d】数列の極限 Limit of a sequence
contents
※1 このページではMathJax を利用しております。環境によっては数式を表示できないかもしれません。
※2 この項で数列という場合、特に言わなくても無限数列のことを指します。
とりあえず単位を取りたい
数列の収束の証明の定型文
\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} a_n=a \) の証明:定型文
任意な \( \epsilon>0 \) に対して、
1つの自然数を \( N> ( \epsilon の式 ) \) となるようにとれば、
\( n>N \) ならば、\( | a_n - a | = \fbox{nの式} < \fbox{Nの式} <\epsilon \)
数列の無限大への発散の証明の定型文
\( a_n が \infty に発散する証明:定型文 \) [#jb4e30a8]
任意な \( M>0 \) に対して、
1つの自然数を \( N> ( \epsilon の式 ) \) となるようにとれば、
\( n>N ならば、 | a_n - a | = \fbox{nの式} > \fbox{Nの式} >M \)
収束
収束の定義(ε-N論法)
高校レベルにおいては、数列の「収束」は、
「\( n \)が限りなく大きくなると、 \( a_n \) がある値 \( \alpha \)無限に近づくとき、 \( \alpha \)に収束するという。」
また、このとき、
\( \displaystyle \lim_{x \to \infty} a_n= \alpha \) または\( a_n \to \alpha ( x \to \infty ) \)と書ける。
しかし、これは厳密に考えると正確な表現とはいえない。
厳密な収束の定義は以下のようになる。
【ε-N論法(数列の収束の定義)】 [#DefinitionOfConvergentOfSequence]
「任意な正の \( \epsilon \)について( \( \forall \epsilon > 0 \) ) 、
それに対して適切に \( N \) をとれば、( \( \exists N \in \mathbb{N} \) ) 、
\( N \)より大きい全ての\( n \) に対して、( \( \forall n > N \) ) 、
\( |a_n - \alpha| < \epsilon \) とすることができる。 」
ε-N論法の意味
上のように収束の定義を言われて、すぐにこれを理解できるかというと、できる人はできるが、おそらく多くの人はちょっと厳しいのではないのだろうか。
というわけで、その意味を詳しく見ていく。
\( a_n \)を直接扱うのはちょっと大変なので、\( |a_n-\alpha| \)について考える。
もし、\( a_n \)が\( \alpha \)に収束すると考えると、下の図のようになる。