バルチスタン のバックアップ(No.5)


バルチスタン
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名称

バルーチ人に由来する。
カシミール地方/広義のラダックのバルティスタンと混同注意。
過去にはゲドロシア(Gedrosia)、マカ(Maka)、マズン(Mazun)とも呼ばれ、
マカはマクラン海岸の語源となっている。

範囲

政治的にはパキスタン、イラン、アフガニスタンにまたがる。

パキスタンにはバルチスタン州があるが、
民族分布と歴史的背景から考えると、
州都クエッタ以北のパシュトゥーン人地域は除いたほうが適切と言えるだろう。

イランではスィースターン・バルチスタン州のうち、
スィースターンに当たる北端部を除く地域。

アフガニスタンでは、あまり大きな面積がなく、
南部国境沿いのバルーチ人地帯が該当する。南部三州(ニームルーズ州・ヘルマンド州・カンダハール州)の南部国境沿いの地域。
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気候

沿岸部であるマクラーン地方以外は総じて乾燥・半乾燥気候であり、
気候はきびしい。
(アレクサンドロス大帝の部下も大勢被害を受けた場所である。)

民族

バローチ人

伝統言語印欧語族>西北イラン諸語>バローチ語
伝統宗教イスラム教スンニ派
伝統生産遊牧生活・半農半狩猟生活

ブラーフーイー人

伝統言語ドラヴィダ語族>北ドラヴィダ諸語>ブラーフーイー語

バルチスタン州クァーラト県に分布。

問題

元来、バルチスタンは南アジア文化圏とも、
イラン文化圏ともやや離れた位置にあり、
南アジア全体が英領インドであった頃も、
バルチスタンは直轄領であり、インドとは別の領域であった。
また、パキスタン、アフガニスタン、イランの国境に伝統は関係なく、
ただ単に19世紀の勢力圏が定着したものに過ぎない。
(もっとも、これは近代国家の多くに当てはまる話でもある。)

パキスタン領では、英領インドが独立分割するのに伴って、
インドから逃亡してきたイスラム教徒(ムハジール=移住者)が
カラチ周辺などに定着し、バローチ人を圧迫している。
(乾燥地帯の民族は概して人口が多くない。)

イラン領では政府がシーア派中心主義なため、
スンニ派であるバローチ人の反政府的事件が時々起こっている。