バルチスタン のバックアップソース(No.2)

*名称 [#p06650bb]
~バルーチ人に由来する。
カシミール地方/広義の[[ラダック]]の[[バルティスタン]]と混同注意。
過去にはゲドロシア(Gedrosia)、マカ(Maka)、マズン(Mazun)とも呼ばれ、
マカは[[マクラン海岸]]の語源となっている。

*範囲 [#c0ac5ed6]
~政治的には[[パキスタン]]、[[イラン]]、[[アフガニスタン]]にまたがる。


~パキスタンにはバルチスタン州があるが、
民族分布と歴史的背景から考えると、
州都クエッタ以北のパシュトゥーン人地域は除いたほうが適切と言えるだろう。


~イランではスィースターン・バルチスタン州のうち、
スィースターンに当たる北端部を除く地域。


~アフガニスタンでは、あまり大きな面積がなく、
南部国境沿いのバルーチ人地帯が該当する。
*気候 [#d84812fb]
沿岸部であるマクラーン地方以外は総じて乾燥・半乾燥気候であり、
気候はきびしい。
(アレクサンドロス大帝の部下も大勢被害を受けた場所である。)


*民族 [#ca87107d]

**バローチ人 [#t677f28e]
|伝統言語|印欧語族>西北イラン諸語>バローチ語|
|伝統宗教|イスラム教スンニ派|
|伝統生産|遊牧生活・半農半狩猟生活|

**ブラーフーイー人 [#ha6acb58]
|伝統言語|ドラヴィダ語族>北ドラヴィダ諸語>ブラーフーイー語|


*問題 [#q2661013]
~元来、バルチスタンは南アジア文化圏とも、
イラン文化圏ともやや離れた位置にあり、
南アジア全体が英領インドであった頃も、
バルチスタンは直轄領であり、インドとは別の領域であった。
また、パキスタン、アフガニスタン、イランの国境に伝統は関係なく、
ただ単に19世紀の勢力圏が定着したものに過ぎない。
(もっとも、これは近代国家の多くに当てはまる話でもある。)

~パキスタン領では、英領インドが独立分割するのに伴って、
インドから逃亡してきたイスラム教徒(ムハジール=移住者)が
カラチ周辺などに定着し、バローチ人を圧迫している。
(乾燥地帯の民族は概して人口が多くない。)

~イラン領では政府がシーア派中心主義なため、
スンニ派であるバローチ人の反政府的事件が時々起こっている。