サウジアラビア王国 のバックアップ差分(No.1)


  • 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
**サウジアラビアの地政学的環境 [#Geopolitics]
サウジアラビアはワッハーブ派、つまり厳格なスンニ派を国教としている。
一方でサウジ国内を見たとき、東部州やイエメン国境にはシーア派住民が存在し、ワッハーブ派を国教とするサウジ政府に反感を抱いていると言われている。

東部州は油田地帯であり、しかもペルシャ湾(アラビア湾)を挟んで対岸にはシーア派の大国イランが存在する。このため、油田地帯の反乱を支援し、影響力を行使することを極めて恐れている。
また、湾岸には中小国があり、[[バーレーン>バーレーン王国]]などの安全保障に関わっている。

一方サウジ南部にはイエメンが接しているが、イエメン国境付近からイエメン北部内陸の一帯は、ザイド派というシーア派の一派の勢力が強い。近年はイエメンが不安定化し、ホーシー派のようなザイド派武装勢力も出現しているため、安全保障上問題となっている。

また、北部においてはシリア、イラクと接しているが、ここもダーイッシュ(イスラム国)によって不安定化している。サウジアラビアはワッハーブ派を国教とするものの、政治的外向的環境から、ワッハーブ派に常に忠実というわけではなく、ダーイッシュのような過激派が侵入すれば、安全保障上の脅威に化ける可能性はある。
さらに、シリアのアサド政権はアラウィー派(シーア派の一種)に強い支持基盤をもち、サウジアラビアはアサド政権の排除を求める側にある。

このように、サウジアラビアはシーア派勢力と多方面にわたって対立を抱えているため、『シーア派勢力によるサウジ包囲網』を危惧していると言われる。

また、この他に2017年にカタールと断交している。原因は、対イラン政策の違いや、報道機関アルジャジーラによる報道内容・その他武装勢力との関係などの問題が絡んでいると言われている。