内部二項演算 のバックアップ(No.3)
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内部二項演算
名前は仰々しいが、四則計算、つまり足し算(と引き算)や掛け算(と割り算)などを拡張したものである。
例えば、2つの実数の足し算の演算結果はやはり実数になる。
あるいは2つの複素数の足し算の演算結果はやはり複素数になる。
この計算には、結合法則、分配法則、可換などの性質がある。
どんな集合に対して、どんな計算をするのかによって、性質は異なるため、特徴を挙げて整理していくことになる。
※内部があれば外部もある「外部二項演算」を参照。
演算の特徴
実数の足し算を脳裏に描きつつ、基本的な法則を見ていく。
ただし、本来は様々な集合の様々な演算の性質を考えるので、
集合は\( \mathbb{R} \)や\( \mathbb{C} \)ではなく、\( \mathbf{M} \)と表記する。
演算は足し算記号ではなく\( x \circ y \)のように表記する。
■閉性
\( x,y \in \mathbf{M} \)のとき、
\( x \circ y = z \)
とすると、\( z \)も\( z \in \mathbf{M} \)となること。
■結合律
結合法則ともいう。
\( ( x \circ y ) z = x ( y \circ z ) \)
を満たす。
■単位律
\( x \circ e = e \circ x = x \)
となる\( e \)(単位元)が存在する。
例えば、実数の足し算では、
\( 5 + 0 = 0 + 5 = 5 \)
実数の掛け算では、
\( \sqrt{2} \times 1 = 1 \times \sqrt{2} = \sqrt{2} \)
など。
■可逆律
\( x \circ e = e \circ x =e \)
となる\( e \)(逆元)が存在する。
例えば、実数の足し算では、
\( 5 + (-5) = (-5) + 5 = 0 \)
、
■交換法則
全ての\( x,y \)について、
\( x \circ y = y \circ x \)
となる。
内部演算の分類
ある集合に対して、ある演算することを分類する。
このため、演算の性質を定義するには、集合と演算方法を示す必要がある。
例えば、実数の足し算なら、 \( (\mathbb{R},+) \) のように表記し、一般的には\( (\mathbf{M},\circ) \)と表記することにする。(当然、表記の仕方は様々にある。)
■マグマ magma
\( (\mathbf{M},\circ) \)が【閉性】を満たす
■半群 semigroup
\( (\mathbf{M},\circ) \)が【閉性】【結合律】を満たす。
例えば、\( 0 \)を含めない自然数の加法
\( (\mathbb{N}_+,+) \)
■モノイド monoid
\( (\mathbf{M},\circ) \)が【閉性】【結合律】【単位律】を満たす。
例えば、整数、有理数、実数、複素数の乗法。
\( (\mathbb{Z},\cdot),(\mathbb{Q},\cdot),(\mathbb{R},\cdot),(\mathbb{C},\cdot) \)
また、\( 0 \)を含める自然数の加法
\( (\mathbb{N}_0,+) \)
■群 group
\( (\mathbf{M},\circ) \)が【閉性】【結合律】【単位律】【可逆律】を満たす。
■アーベル群 abelian group
可逆群 commutative group ともいう。
\( (\mathbf{M},\circ) \)が【閉性】【結合律】【単位律】【可逆律】【交換法則】を満たす。
例えば、整数、有理数、実数、複素数の加法。
\( (\mathbb{Z},+),(\mathbb{Q},+),(\mathbb{R},+),(\mathbb{C},+) \)
また、\( 0 \)を除く有理数、\( 0 \)を除く実数、\( 0 \)を除く複素数の乗法。
\( (\mathbb{Q} \setminus \{ 0 \},+),(\mathbb{R} \setminus \{ 0 \},+),(\mathbb{C} \setminus \{ 0 \},+) \)
■その他
組み合わせにはいろいろある(そのうち書く。)
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