群論

Last-modified: Tue, 16 Jun 2020 17:17:04 JST (1409d)
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群論 Group theory
カテゴリCategory/Math:数学
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群とは加法の拡張

 実数や整数の足し算には結合法則などの幾つかのルールがある。無論、実数や整数以外の集合にも、様々な計算規則を考えることができるし、実数や整数に対して、四則演算以外のルールを考えることができる。

 例えばここに、整数や実数の加法とは全く別のように見えて、しかし結合法則のようなルールを共有している計算規則があるとする。そうであるなら、実数や整数の足し算と似たような性質を持っている可能性がある。

 ならば、共通のルールを持った計算規則を全てひとまとめにして抽象的に研究することだって可能であり、それを群 (Group)と呼ぶ。

群の定義

 詳しくは内部二項演算を見てほしい。群だけでなく、半群などの群に似た性質を持つ演算について触れている

 群とは、以下の4つの性質を満たす、ある一つの集合に対する二項演算である。

閉性
必ず、元の集合に戻る。すなわち、
\( x,y \in \mathbf{M} \)のとき、
\( x \circ y = z \)
とすると、\( z \)\( z \in \mathbf{M} \)となること。
結合律(結合法則)
\( ( x \circ y ) z = x ( y \circ z ) \)
を満たす。
単位律
\( x \circ e = e \circ x = x \)
となる\( e \)(単位元)が存在する。
実数の加算なら0のこと。
可逆律
\( x \circ e = e \circ x =e \)
となる\( e \)(逆元)が存在する。
実数の足し算なら、5に対する-5である。

アーベル群(可換群)

 群は更に下のルールを満たすとき、アーベル群(可換群)という。

交換法則
全ての\( x,y \)について、
\( x \circ y = y \circ x \)
となる。

実数に対する加法\( (\mathbb{R},+) \) や 整数に対する加法\( (\mathbb{Z},+) \) はアーベル群である。

位数 (order)、有限群、無限群

ある集合\( S \)に対して演算\( \circ \)をもつ群\( G \)すなわち\( (S,\circ) \)があったとき、集合\( S \)の個数(濃度)を位数(order)と呼び、\( |G| \)または\( \mathrm{ord}(G) \)と表記する。

位数が有限個ならば有限群、無限個ならば無限群である。